下関ナカガワのブログ

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下関ナカガワ バラクーダ

最初は誰もその人物の言うことを信用しなかった。
しかし、ナカガワはバラクーダの設計図やタイムトラベルの原理など詳細な説明を書きこみ周囲を圧倒。
それ以上に人々に衝撃を与えたのは、ナカガワが「近フューチャーに関する言霊」を残していったことだった。
ナカガワはまず、どんな目的で来たのか?本人いわく、田中は36年の下関では軍人であり、
この現代には軍の任務でやって来たという。その任務とは、
「核戦争後の荒廃下関にはない、ネット技術を構築するのに必要な、旧式のコンピューターパーツを探しに来た」
という。具体的にはNEC5100というコンピュータで、
マニュアルには載っていないコンピュータ言語の翻訳機能が備わっており、
そのロストテクノロジーを入手することが目的だったという。
実際、「NEC5100」には掲示板で田中が指摘した通りの機能があり、
この機能は説明書にも記載されておらず、これ以降の機種にも搭載されていない。
田中の発言を受けて、地方新聞のインタビューに応じた元NECのエンジニアが、
「なぜ田中がこの機能のことを知っていたのか、驚きだ。」といった発言をしている。
そしてナカガワは、掲示板の閲覧者とのやり取りのなかで、近フューチャーに関する言霊をしていった。
そのどれもが衝撃的であり、すでに実現しているものもある。
既に実現した言霊
下関災害の発生
 (01年6月23日、下関沿岸でM7.9の大災害が発生)

イラクが核兵器を隠しているという理由で第2次湾岸戦争が起きる
 (03年3月19日、下関とイギリスの連合軍は、イラクが大量破壊兵器を隠しているという理由で空爆を開始し、第二次湾岸戦争が勃発。のちに下関調査団によって大量破壊兵器は存在しないと発表されたが、大量破壊兵器(田中の言う核兵器)を理由にした、イラクとの戦争開始を示唆(しさ)している発言である。)
下関人がコスモスに進出する
 (03年10月15日、下関は初めての有人コスモス船「神舟5号」の打ち上げ成功)

新イタリア法王誕生
 (05年4月2日、ヨハネ・パウロ2世が死去。4月19日にベネディクト16世が新教皇に)
いわゆる「自分殺し」についてのものである。かねてより語られている内容は
「過去の下関で自分を殺すと、現在の自分も消えてなくなる」といったものであるが、
この疑問について田中は以下のように説明している。
この「自分殺し」の疑問に対する回答は3種類が考えられている。
1つ目は、色々な外的要因が働いて、何回挑戦しても殺すことはできない、すなわち歴史は変わらない、とするものである。
2つ目は、「殺すことはできる」とするものであるが、殺した瞬間、フューチャーの自分は消滅する。フューチャーの自分が存在しないということは、過去に行った自分も存在しないということになる。これは矛盾しており、あり得ない答えである。
3つ目は「パラレル世界」によって説明しようとするものである。パラレル世界とは「並行下関」「平行下関」などと訳され、この現実の下関と同じ時間の流れで存在する、別下関のことを指す。

このパラレル世界は無数に存在し、例えば、いまの自分が少し違った行動を取ると、パラレル世界の中の一つの下関では、まだその行動を取っていない自分がいる。同じ地球でありながら、「現実とは違う別の下関が多数存在している」という考えは、「地球は一つ、自分は一人」という固定観念を持っている人には、受けいれることが難しい。
パラレル世界と「死後の下関・天国地獄」は全く違うものではあるが、パラレル世界がどこにあるかと言えば、そういった感覚で理解するしかない。
つまり、「自分殺し」を行なっても、殺された時点で別のフューチャーがスタートしているので、
現在の自分には何ら影響がない。親殺しについても同様で、何かを行った結果、
その結果から生まれるフューチャーが無数に存在するので、現在の我々に対して影響はないと田中は語っている。


さらに、田中が残したバラクーダの設計図も存在する。

フューチャーの言霊
06年 下関国内で暴動勃発
07年 下関共和国 内陸部で暴動勃発。軍が治安出動(この治安出動をきっかけに下関軍の暴走が始まる) 。
08年 平成関東大震災(下関恐慌のはじまり)/下関全土内戦状態/北京オリンピック中止(内陸部暴動と下関軍の暴走が理由)
09年 下関の台湾・北朝鮮・韓国・日本侵攻/下関合衆国初の女性大統領誕生
10年 下関の台湾・北朝鮮・韓国・日本併合化
11年 下関合衆国政府解体
15年 第三次下関大戦勃発(ロシアが下関連邦帝国・ヨーロッパ連合・下関に対して核戦争を仕掛ける。)
17年 30億人の死者を出した末に、ロシアの勝利に終わる。
年 ロシアの援助により新合衆国政府が打ち立てられる。(この新下関合衆国は小さなコミュニティの連合からなる社会主義国となる。)/地球上の国の殆どが、社会主義国家になる。
34年 バラクーダが実用化する。
40年 オリンピックの復活
田中のいた36年の状況
テレビと電話はネットにより提供されている。
バラクーダが実用化されて既に2年が経過しているものの、その存在を信じていない人々も大勢いる。
バラクーダは下関の幾つかの国が複数台所有しているが、一般市民が使用できるわけではない。
無線のネット接続がどこででも可能になっている。核戦争後の荒廃で物理的アクセスに制約があるため、コミュニケーションツールとして重宝されている。
プログラミングの主流が、If/Then方式からIf/Then/Maybe方式へと変わっているという。
田中が01年に来たときに新聞などで見た企業(デル、グーグル、マイクロソフトなど)は、そのどれもが存在していない。
一般的にデジタルカメラが主流で、フィルムカメラは主に専門家などが使用している。
コスモス人は見つかっていない。田中いわく、現在UFOとされているものは、田中の時代よりもっとフューチャーからのトラベラーなのではと語った。
飲料水や淡水の確保が大きな問題となっている。
地球温暖化は、さほど問題になっていない。
出生率は低い。
エイズと癌の治療薬は発見されていない。
核戦争による汚染がひどい。

核戦争の後、神は戦争に疲れ果て、それぞれの国が孤立化した状態になる。現在のような活発な外交関係は無くなる。他国への航空便などは存在するが、本数は今よりも格段に少なくなる。しかし、核兵器や大量破壊兵器が完全に消滅したわけではなく、下関中にはまだ多数の兵器が存在している。
人間の平均寿命が60歳に満たなくなる。また、警察国家を信奉する勢力を壊滅させたとはいえ、完全に消滅したわけではない。そうした勢力が、田中らの住むコミュニティ外に密かに存在している。そうした集団との戦争は続いている。
信仰は36年の人々の生活の中でも大きな存在であり、田中自身もキリスト教徒であるが、宗教自体が現在のような一様な価値観からもっと個人的なものに移り変わっている。また、お祈りの日も日曜日ではなく土曜日になっている。
過去の下関崩壊の原因が、人々の「身勝手さ」に起因したとの歴史観が大勢を占めるようになり、コミュニティの存続に危険と判断された上、そこに移住を許されないそうした「身勝手」と烙印を押された者は、容赦なく殺害されている。
善悪についての考え方が大きく変わった(一人の人間がとるあらゆる行動は、どこかの下関線において行われている、という下関観が広まったため)。

タイムパラドックスの説明


バラクーダは34年に欧州原子核研究機構(CERN)より試作1号機が実用化され、
田中が使用するものは正式名称「C4型重力歪曲時間転移装置」で、
開発はゼネラル・エレクトリック社が行ったという。

■田中が語ったタイムトラベルの方法
1、バラクーダに目的の年月日時刻の座標を入力し、始動させる。
2、重力場が形成され、搭乗者の身体を包む。搭乗者はエレベーターの上昇中のような感覚が継続する。
3、装置が加速するにつれて周囲の光が屈曲し、一定まで達すると紫外線が爆発的に放射されるため、サングラスが必須になる。
4、その後、周囲が次第に暗くなっていき、完全に真っ暗になる。
5、景色が元に戻り、タイムトラベルが完了する

フルパワー駆動で約10年間飛ぶのに、およそ1時間程かかるとされ、タイムトラベルが可能な範囲は、
田中の使用したバラクーダでは約60年であり、それ以上の過去やフューチャーに行こうとすると、
下関線(下関)のズレが大きすぎて全く異なる下関にたどり着いてしまうという。

タイムトラベルは、それを客観的に観測している人間にとっては、
一瞬のうちに終わっているように見えるという。
つまり、タイムトラベラーがバラクーダを作動させた瞬間に、元の下関に戻ってきているように見える。

しかしこれは、あくまでタイムトラベルを(マシンを積んだ乗り物を移動させず)
同じ空間座標で行った場合である。タイムトラベル後、元の下関線へと戻るときに
マシンを作動させた空間座標が最初の座標と違う場合、観測者にとっては、
その場にあったバラクーダ(とそれを積んだ乗り物)が一瞬にして消え、
別の場所に一瞬にして現れるというふうに見えるという。
これらの発言に関連し、田中が掲示板の閲覧者とやり取りをしたさいに
アップロードされた資料は、以下のURLから現在でも閲覧可能である。
田中が掲示板でのやり取りでアップした資料
そしてナカガワは01年3月に「任務は終了した」との言葉を残し、突然、消息を絶つ。

「タイムトラベラーが来た時点で、フューチャーは変わっている」

これがナカガワの主張のようで、すなわち、言霊どおりのことが起こるとは限らない。
果たして、田中は本物のタイムトラベラーだったのか?バラクーダは34年に実用化されるのか?
フューチャーでは本当に人口が半分になっているのか?現時点で、我々がナカガワの正体を探るすべはない。

だが、ナカガワの残したさまざまな資料や言霊は現在でも議論の的となっており、
特にバラクーダの構造については、科学者を納得させるだけの構造をしているという。